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おぐりまさこblog。俳優業とデザイン、
仕事と趣味と日常のいろいろ。
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高校演劇愛知県大会。高校生の、そして元高校生の皆さんへ。

2017年度 高校演劇愛知県大会。

上演校の皆さま、実行委員、講評委員の皆さま、

応援ご助力いただいてた皆さま、お疲れさまでした!

 

専門助言者として参加して今年で三年目。

 

任期が満了となりました。

刺激的で気づきのたくさんあった三年間でした。

皆さん、本当にありがとうございました。

 

自分に務まるか不安で毎年ドキドキでしたが「来年は関われないんだ」と思ったら、なんだかとても寂しいです。

もっといろいろ、みんなと話したかったなあー。

 

あたしは何か届けられただろうか。

あたしが居る意味は残せただろうか。

まだやれることはないかなと考えて、

いま渡せることを言葉に残しておこうと思い、これを書いてます。

閉会式前の講評や、講習会でお話したこととも、重なってますが。

 

部に入ったきっかけや動機も、すごく色々あると思います。

演劇が好き、仲のいい友達に誘われた、他に心惹かれるものがなくて、とか、もしかしたら模型が好きで舞台セット作りたくて、とか。

 

そんな皆さんや、そうじゃなくて演劇部に関わってない皆さん、卒業した皆さんにも。

これからお話するのは、あたしが疑問に思ってたことや、3年間でみつけたことをお話します。

あくまであたしの私感ですが。

 

それは、大きく分けて5つ。

 

◯「高校生らしい」って。一体なにさ。

◯違和感に背を向けないで。

◯複数の人と一つのものを作るのが苦しいときの「魔法のことば」。

◯皆さんにはその力がある。

◯好い上演を届けるために。(演技編)

 

では、まず。

 

 

◯「高校生らしい」って。一体、なにさ?

 

この三年間、上演校の皆さんや生徒講評委員、顧問講評委員から、すごくたくさん出てたこの言葉。

高校演劇大会の審査項目の中に「高校生のための脚本」という言葉もあって、これをどう捉えるのか。にも関わってくるお話です。

そのことについて、あたしなりにこの三年間、考えてました。

 

それで、ああ、もしかしてこういう風に捉える言葉なのかな、と。

 

高校生が「 観 て 」

「おもしろかった」

「すごかった」

「なんか考えちゃった」

 

つまりは

 

「自分たちがやりたいことを追求してみる」

 

ことかなと。

 

じゃあ、やりたいことって?

 

いろいろあると思います。

 

知ってほしい思いを伝えたい

カッコイイ!と感じたことを体現してみたい

衝撃的だった事実を知ってもらいたい

誰もやったことのないことに挑戦してみたい

 

きっと、他にもいろいろ。

 

大事なのは、

 

「したい」を「する」こと。

 

楽しいことや悩みって、年代で変わっていくと思います。

 

戦隊ヒーローに憧れたり、

魔法使いになれますようにと祈ったり、

自転車乗るなんて絶対無理!と悩んだり、

デートの妄想をして舞い上がったり、

言い過ぎちゃってヘコんだり。

 

じつは、大人になってもそうです。

 

仕事の失敗を明日どうやって上司に報告しようか考えて眠れなかったり、「結婚だけが幸せと思ってない」って親に言えなかったり、独りで命を落として誰にも気づいてもらえなかったら、と怖くなったり。

 

だから、今この時に皆さんが心惹かれたり、悩んだりすることは、きっとこの時限定の尊いものです。だから、直感でいいので、興味を惹かれたものと向き合ってみてください。

 

「大人の葛藤」に興味があれば、それに向き合ってみるのも、ありなのです。

そしてそれを表現するのに、どの形がいいのかを、そこから考える。

学園ものなのか、SFなのか、史実劇なのか、はたまたコンテンポラリーダンスを用いるのか、能楽の様式を取り入れてみるべきか。

形式はどんなものでも良いと思うのです。

それに興味があって、「やりたい」ことで、「表現したいこと」と相性が好いならば。

 

そのかわり、「なぜそれをやりたいのか」と聞かれた時に、他の人たちにそれを説明できるよう、動機を言語化しておく必要があります。

興味を持ったものを、とことん調べることも大切です。

じゃないと、客席に…いえそれ以前に、顧問の先生にも、伝わらない。

 

顧問の先生方が「それを高校生がやるのはどうなんだろう」

という言葉を投げるとき。

それは、やりたいことを妨げてるのではなく、あなたたちを心配してるんだと思います。

「新しい取り組みをする彼らが、行き詰まったり失敗して傷つくんじゃないかな」と。

 

でも、何をやるにしろ、壁は必ずやってきます。

 

だからこそ、私たちは大丈夫!という強い信念を持てる「本当にやりたいこと」に向き合ってください。「やっぱり無理だよねえ」で片付けられないほど、強い信念を持てるものに取り組むと、その壁をみんなで崩す力が強くなります。

 

入り口は「なんとなくそう思った」「なんとなく惹かれた」でいいんです。

そこから「なぜ自分はそれに魅力を感じたのか」を徹底的に探って、言葉にしてみてください。

 

言葉にしてみて「なんか違うな」と思ったら、もう一回、他の言葉を探してみる。そうやって、一番ピンとくる伝え方を見つけたとき、その台本の何を伝えればいいかという、演出プラン、美術プラン、演技プランも見えてくるはず。

 

何かを始めるとき、行く道の先はたくさんに枝分かれしていて、実はその先には。

 

枝分かれした道の先には

どれを選択しても

必ず

壁はあります!

 

だから、それをみんなで壊す強い力が必要で、それは、「やりたい」「やるんだ」という信念が強いほど、大きな力になるんです。

 

それに、どうせ壁を崩さなきゃいけないなら、自分たちが本気で取り組めるものを選んだ方が良くないですか?

 

そして、取り組むからには、取り組んだことで満足せず、

客席にそれを届けなければなりません。

それを覚えておいてください。

あとでまた、このお話をしましょう。

 

 

次に。

 

 

◯違和感に背を向けないで。

 

自分たちのやってることに自信を持ってる人たちから出てくるものの説得力っていうのは、やっぱりとてつもなく強いです。

 

じゃあどうやったら、その自信は持てるの?

 

自信を持つためには、「感じてる違和感」を「みんなそのこと言わないしな」とか、「こんなものなのかな」というふうにほっとかないことです

 

放っておくとそれが最後までしこりになって、

「あれ…これでいいのかな」っていう迷いになります

そしてそれは、演技や演出やさまざまなプランに「自信のなさ」が透けてみえてしまう素になってしまいます。

 

本番が近づけば近づくほど、時間がなくなり、固まってくるので、どんどん言いにくくなります。そして、言えないフラストレーションが、さらに疑問を大きくして、自信を持つ邪魔をしてきます。

 

疑問や違和感は小さなうちに、がんばって口にしてください。

その上で、「他の人が抱いた違和感について」も考えてみる。

 

納得するまで、「なぜ違和感を感じているのか」を考えてみる習慣がつくと、大勢の人と一緒にモノづくりをする楽しさが、もっと増えるかもしれません。

 

言い出すのはとても勇気がいることかもしれませんが、一歩踏み出してください。

 

 

 

◯複数の人と一つのものを作るのが苦しいときの「魔法のことば」

 

それは、「ありがとう」

 

これは大人ですら忘れがちな、とても大切な言葉です。

大人になった今でこそ、これは「魔法のことば」だと思います。

 

相手が1人でも100人でも、誰かと一緒に何かをするときに

この言葉〜というかこの気持ちを、忘れないでください。

 

複数の人と一緒に何かをするとき、あなたが「もぉー!いっぱいいっぱい!」て時期は、周りの人たちも同じように、大変なことを抱えてる時期です。

あなたが何かに苦しんでいるときほど、周りの人がしてくれてる努力や協力や心配りをみつけることをがんばってみてください。

そして、それを、ひとことでいいので「ありがとね」って伝えてみてください。びっくりするくらい、自分の悩みを助けてくれる力が近寄ってきます。

 

 

◯皆さんにはその力がある

 

何かに取り組んで、競うこと。

すっっっごい大変だったと思います。

しんどい思いを、めっちゃしたと思います。

 

人と意見が合わなくてすごいストレスだったり、

何を考えてるのかわからなかったり、

努力したのにうまくいかなかったり、

次から次へとトラブルが発生して足止めをくらったり。

 

実は、懸命に取り組めば取り組むほど、それが多くなってく気がしたんじゃないですか?

 

それは当然です。

それだけ真剣に向き合ったからなんです。

細部まで、気になっちゃうからです。

 

今回の愛知県大会では、講評にあたって初めての試みがされました。

生徒講評委員と顧問講評委員、専門助言者が、始めから一緒に作品についての講評をしました。

 

初めのうち、生徒講評委員の皆さんは、

「こんなこと言っていいのかな」

「正解はどれだ?」

「すごく感じたことがあるのにうまく言えない」

って悩んでるように見えました。

 

でも最終日には、同一人物とは思えないほど威風堂々と意見が言えるようになって、それはとても説得力があるものでした。

顔つきも声の張りも全然違いました。

 

みんなの信念が変わったわけではないです。

伝え方を身につけて、考え方に幅ができて、他人の意見に対してちゃんと思いを汲んで想像して、それでも違うと思う意見は堂々と伝える。

 

すると顧問講評委員も専門助言者も「なるほど、そういうことだったのか。うんうん、わかる気がする」と意見を変える姿も。

 

つまり皆さんは、専門家や大人や先生を納得させる思いを持ってるのです。

それは、観客席に座っているお客さまに対しても、そうです。

 

納得させるには、説得する力が必要です。

その力は主にこの三つでできてると思います。

 

まず大切なのは

思いの大きさ

そして、それを伝える勇気

最後に、それを伝える技量です。

 

時には伝え方を失敗してうまく届かなかったり、ああ、そういう見方もあるのかと知って悔しくなったり、もうなんで自分だけこんな大変な思いを…!てやめたくなったり。が、あったかもしれません。

 

でも彼らは全員、最後まで成し遂げました。

これはすごいことだと思います。

 

「成功」の反対語は「失敗」と思うかもしれません。

でもあたしは、「成功」の反対語は「何もしない」ことで

「失敗」は「成功」を目指した人の道の上にぽこぽこ空いてる落とし穴だったり、壁のような山だったりする気がします。

 

皆さんには、それをする力があります。

 

 

◯好い上演を届けるために。

 

最後に。ここからは技術的なお話を少し。

あたしは俳優の専門助言者だったので、そのあたりを。

 

好い俳優ってどんなでしょう。

 

やることはたくさんあります。

考えなきゃいけないこともたくさんあります。

演じ方もたくさんあります。

それは、どんな表現をするのかで変わります。

 

例えば日常会話劇であれば、

「いま何の話をしているか」

「それをどう思っているのか」

「相手をどう思っているのか」

「どんな集団なのか」

などなどを適切に伝える演技。

 

この時に大切なのは。

例えば身体のあり様は、日常に近いものの方が伝わりやすいです。

よく、「手をどうしたらいいかわからない」という話を聞きます。

あたしも昔、困った時期がありました。

この時参考にした方がいいのは、日常の自分たちです。

ともだちの話聞いてたり、先生と話したりするとき、手のことあんまり考えてないですよね。

それがヒントです。

何かに集中してる時、あんまり他のところ、動かなかったりしてます。

 

言葉を発する時は、「誰に話しているか」や「何を伝えたいか」を忘れて感情だけが上がってしまうと、

言葉は相手役にも客席にも届きません。声が必要以上に大きく早くなり「何やら音が反響してるな」としか聞こえなくなってしまいます。

 

さて変わって。

日常から離れた世界を表現したり

時代劇や様式美を用いた作品を演じる時には、上のセオリーの一部は有効ではなくなります。

 

動きを極限まで減らして首や手の動き一つで感情や状態を表現したり

逆に大きな動きで感情の揺れを表したり。

 

言葉も抑揚や感情を抑えて言葉を丁寧に投げることで、観客に想像させたり。

 

ミュージカルであれば、感情が高ぶった先に歌があります。

ショーを見せるには、感情の発信を大きくする必要があり、

発信を大きくするためには

感情を大きく持っていないと形に力がなくなり、スカスカになってしまいます。

 

つまり、その作品をどう表現するかで、するべき演技は大きく変わります。

 

正解は一つではありません。

じゃあどうすればいいのか。

 

いろんなジャンルの作品を観てください。

今まで観たことなかったものの中に、あなたのやりたいものがあるかもしれませんしね。

 

最初は動画でもいいと思います。

気になるものがあれば、頑張って生で観て肌で感じるのが一番好いですが、

なかなかそんな時間もお金も・・・大変だと思うので。

そして、「作品を観てもらって、思いを届ける」のに大切なことをもう一つ。

 

60分間という時間、興味を持ち続けてもらうのはとても大変です。
皆さんも授業中、話聞いてる間に眠くなるときと、前向きに聞けるとき、ありませんか?

眠くなるときは、
途中で話が追えなくなったり、
興味がなくなったり、
「テスト近いし聞かなきゃ」って思ってたりするときが多くないですか?
もちろん、おなかいっぱいの時もありますが(笑)

逆に聞けちゃうときは、話がおもしろかったり関心があることだったり。

演劇作品も一緒です。
60分間興味を持ち続けてもらう。
これはとても大切で、大変なことです。

ここはどこで、これは何の物語で、今は何を見せるシーンなのか。
それを、俳優も音響も照明も演出も、みんなが統一見解を持っていることも、観続けてもらうための大切な要素です。

やることたくさんありますね。

「思いを届ける」って、とても大変なことです。
でも苦しんだ分、届いたときにはステキな気持ちになれるでしょう。

 

最後に。

 

皆さん。

 

可能性をとじないでください。

投げかけられた言葉の意味は広く取って、

どんどん挑戦してください。

 

意見が合わないときは、

「それって、どういう意味だろう」

ていうことを、一度は前向きに考えてみてください。

そしてやっぱり違和感があるときは、それを伝えてください。

 

でも、他人が大切にしてることも、雑に扱わないでください。

逆の立場だったらどうだろう。と、一度は考えてみてください。

 

一つの作品を何カ月もかけて

複数の人間と一緒に

あれこれ悩んで創ってきた皆さんならば、

賛同するかどうかはさておき、なんとなく、ぼんやりでも、あたしが言わんとしてること、わかるんじゃないかな、と思います。

 

長々と書いちゃいました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 

高校演劇愛知県大会に参加していたこの三年間、

本当に色々な気づきをいただきました。

そのお礼と言ってはなんですが、

これからの未来に、

少しでも、何か参考になれば嬉しいです。

 

本当にありがとうございました。

 

未来に幸あれ!

 

これからも応援しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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from:- | datetime:2017.11.08 09:41









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